orenzneroって結局どうなの?
どうも。
朝晩の冷え込みが厳しくなりましたね。最近では雪がちらついてきて、コートを着始めました。それでも、肌寒さを感じます。もう冬本番です。
そして、最近誕生日を迎えました。そんなことはどうでもいいのですが、去年の誕生日にorenzneroを購入しました。ちょうど購入してから1年ということです。
その頃は、ブームが落ち着きつつも、まだ爆発的人気を誇っていたので、0.3を見つけるのに何か所も文房具店を回りました。
しかし、そのorenzneroも賛否両論です。正確に言えば、「ほとんどの購入者が満足したものの、その人気にあやかり購入したらそうでもなかったという人もいる」という風潮があるなと勝手に思っていました。
そして、ブームから1年経った今、orenzneroというペンはどんなペンだったのかという自分なりの見解を綴りたいと思います。
orenzneroとは
2017年2月にぺんてるから発売された3000円+税のシャープペンシル。
簡単に特徴を説明すると2014年に発売されたorenzに自動芯出し機能が追加されたモデル。「nero」というのはイタリア語で黒という意味で、それが意味するようにボディはマットブラックの十二角形軸です。
自動芯出し機能は、OHTOのオートシャープや、パイロットのオートマチック、ぺんてるのテクノマチック、ファーバーカステルのtk matic等、昔のシャープペンシルから安価帯の現行品でもその機能がついてる商品はありました。
しかし、orenzneroはそれまで人気だったorenz機能と自動芯だし機能を融合したことを売りにし、youtubeなどのインターネット動画によって大々的に宣伝することで一気に人気を博すことになります。ネットショッピング等での購入も困難になり、再入荷を待たなければいけない状況にまでなりました。
orenzneroのここが好き
買ったときはその使いやすさに感動してた記憶があります。まず、持ってみて感じたのが、指に吸い付くようなグリップです。十二角形グリップは非常に安定していて、持ったときどんな手でもフィットします。グリップの溝も、ローレットのような細かさではないのに、ほとんど滑らないという絶妙なグリップがとても気に入っていました。
また、書いたときに感じるのが、安定した重心バランスです。適度な低重心が書いてて疲れにくいなと思いました。重さも18gと、機能を詰め込んだ割には軽いほうなのかなと思ったりもします。
自動芯出し機能の必要性
このペンの売りともいえるこの機能。しかし、今このペンを使うときは、しっかり芯を出して書きます。orenzneroのアイデンティティを真っ向から否定するようで、少し申し訳ないような気もしますが、個人的にはこの機能は苦手です。
その理由として挙げられるのが、
①ガイドパイプが紙面につくとき違和感を感じる。
②芯が見えないので、どうしても筆記線が太くなってしまう。
①のほうは、引っかかりともいう表現を用いる人もいますが、自動芯出し機能によりガイドパイプが元に戻ろうとするので、どうしてもガイドパイプが当たる感触は感じます。
軸のバランスは良くても、書いてるときの感触というのは普通のシャープペンシルよりかは劣ります。その部分が特に受け付けないという人が多い気がします。
ちなみに、0.2より0.3のほうが違和感を感じました。
しかし、自分は②のほうが苦手です。普通は芯の偏りが出て字が太くならないように、感覚で調整しながら、自分に合った筆記線を保ちながら書いていると思います(意識せずとも)。
しかし、ガイドパイプによって芯が見えないため、感覚で調整するのが難しいです。視覚認知性が低いため、字が太ってきてから芯の片減りに気づくというのが、神経質な自分にはあまり合いませんでした。
確かに、ワンノックで芯が切れるまで書き続けることができる、そして折れないという二つの機能を兼ね備えているため、この機能は画期的だと思います。
しかし、自分の中では、その機能があるから生まれるストレスというのもあるので、その機能を最大限に生かすには、用途によって使い分けることが必要という判断に至りました。
繊細なのは機能だけではない
そして、orenzneroの1番の問題点は機構が精密な故、不具合や故障が多いということです。オレンズネロにはこの価格帯では異例の「保証書」が付いています。メーカー側も故障が多いと見越して付けたのでしょうか。
しかし、保証書があるからといって、壊れたら必ず新品になるというわけではないです。当たり前ですが、過失による故障は修理費がかかります。私の友人も修理費がかかったと言っていました。
いずれにせよ、orenzneroは正しく使わないと不具合が必ずといっていいほど起きます。
まず、芯はメーカー純正の芯を使わなければいけません。たまに、三菱鉛筆のハイユニとの組み合わせがいいといってる人もいますが、メーカーによって同じ0.3でも微妙に細さが違います。orenzneroは機構が精密な故に、その微妙な差でも不具合を起こし、芯が引っ込んだりするなどの不具合が起きてしまうのです。
ちなみに、0.3のシャープ芯は実際には0.3mmではありません。JISの規格*1によると
0.3mm芯の実寸は、0.37mmから0.39mm
と決まっています。正確には0.3mmは0.4mmなんですね。自分もこのサイトを見て驚きました。
話は戻りますが、この0.02mmの差で不具合が生じてしまうのです。
また、これは自分の周りで起きた話なのですが、ある日orenzneroを使っていた友人が誤って机から落としてしまったところ、真ん中のボディとグリップのつなぎ目のような細い部分にぱっくりとひびが生じてしまいました。頑丈そうに見えるあのボディも意外と耐久性がないのかもしれませんね。
また、芯詰まりを直す際も注意が必要です。芯が詰まったときは口金をはずして、芯が出るところから何か細いものを通して取るのですが、このときむやみに口金付近をいじるのは危険です。一度機構を壊してしまったら直すのが少し複雑なので、あまり慣れていない人は一度公式サイトを見ることをお勧めします。
orenzneroに3000円の価値はあったのか
ここまで書いてきて、否定的になってしまった部分のほうが多いのですが、私はこのペンに3000円の価値は見出せたと思います。ここからは私の主観になってしまうのですが、orenzという特徴無しでも買う価値はあると思います。軸とグリップのバランスは、自分が持ってるペンの中でも5本の指に入るほど秀でています。
耐久性や、壊れやすいという点に対しても、当たり前ですが、ちゃんと決まりを守りながら使えば壊れることは絶対にありません。
また、0.3mmや0.2mmなどの細い芯径のシャープペンシルには学生や女性をターゲットにした製品が多く、男性向けの商品が少なめな気がします。
しかし、このorenzneroのデザインはマットブラックで統一されていて、実際にorenzneroをビジネス等で使っている人もいたりなど幅広い年齢層をターゲットとして作られている部分も個人的にはいいと思います。
ただ、発売日が明確に提示されてなかった部分などから、アバウトな商品情報からどんどん付け足していった感が感じられます。もう少しゆとりを持って販売すれば、初期の不具合が防げて、もっと精密に作れたのではと思います。
また、キャッチコピーも
「ユーザーではない。オーナーになるのだ。」
というか中々キャッチーでは無いキャッチコピー。 ユーザーは使用者で、オーナーは所有者…
使用するのに意味があるのではなく、持っていることに意味があるとでも言いたいのか…(恐らく、いや絶対に違うが…)
話が脱線してしまいましたが、まとめると、orenzneroの性能(自動芯出し機能等)に魅力を感じる人の方が多いと思いますが、1年使ってみて分かったのは内面的な特徴より、外面的な特徴の方が長所としては大きいと分かりました。
最後に
なぜこんな時期にorenzneroの話を持ち出したかというと、0.3がマイブームで、その中で一番好きなのは何だろうと考えたときに、このペンが一番に出てきたからです。時代遅れ感もありますが、最近シャーペンを使うときはずっとこのペンを使っています。
好きなペンなのになぜこんなに短所を挙げたのかなとも自分でも思いましたが、どんなペンでも長所も短所もあるし、だからこそ好きだと思う人もいれば嫌いだという人もいるから、客観的に書きました。
自分は、このペンは文房具がもっと好きになったきっかけにもなったので、これからも大事に使って生きたいと思います。
ちなみに、Amazonではやっと最近定価よりも安く買えることができるようになりました。ほとぼりが冷めてきたのだと思いますが、今買っても全然いいと思います。
長くなってしまいましたが、これでおしまいです。
読みづらい文でしたが最後まで読んでくださりありがとうございました。
それでは。